屋久島固有の杉「屋久島地杉」をご紹介いたします。
屋久杉と屋久島地杉、何が違うの?
「屋久杉」と言えば、日本を代表するブランド杉材。しかし、屋久島にある杉は、全てが屋久杉と呼ばれるわけではありません。屋久杉と屋久島地杉はどのような違いがあるのでしょうか?
「屋久杉」とは屋久島の標高500メートル以上に自生する樹齢1000年以上の杉のこと。しかし、2001年より屋久杉の伐採は一切禁止されています。
一方、屋久杉の種の苗木や接ぎ木から植林された杉を「屋久島地杉」と呼び、50〜60年ほどで伐採して活用されます。
屋久杉のDNAを受け継ぐ屋久島地杉
屋久杉と屋久島地杉は厳密に分類されますが、実は遺伝子的には区別されません。
それは屋久島地杉は、標高1000メートルに自生する屋久杉から種や接ぎ木を採取し育てている屋久杉由来の杉だからです。
花崗岩から成る極端に栄養の少ない土壌、「月に35日も雨が降る」と呼ばれるほどの雨量、そして台風の通り道であることなど、屋久島の過酷な環境で育つ巨大樹のDNAを受け継いでいるのが屋久島地杉です。
屋久島地杉の特長
古代から高級品として扱われてきた屋久杉の血統を引き継ぐ「屋久島地杉」。
知る人ぞ知る、ひとつ上の銘木「屋久島地杉」の特長をご紹介します。
フィトンチッド
フィトンチッドとは、植物が発散する香り成分。植物は、フィトンチッドを放出することで有害な細菌や害虫から身を守っています。
フィトンチッドは人体に安全な成分なばかりではなく、深いリラクゼーションへ導く安眠効果があることが明らかになっております。
地杉は、香りの成分セドロールなどの含有量が本土の杉の20倍ぐらい多く含まれています。そのため、香りが強く、心身をリラックスさせる効果があるとわかっております。
さらに、防蟻、防ダニ、抗菌、消臭といった効果の高さも確認されております。
耐久性
花崗岩が隆起してできた屋久島。地杉は栄養分が少ない土壌に育つため、成長が遅く木目が詰まり、強度が強くなります。
そして、屋久島は日本一雨が多いために湿度が高く、木の樹脂分が多くなります。
さらに、台風も寒暖差も多い過酷な環境という地理的な特長のため、屋久島の地杉は本土の杉の1.2倍もの高い強度となるのです。
耐候性
標高1800メートル級の山々がそびえる屋久島は、雨が多いことでも知られています。
屋久島の森の中を進んでいくと、倒れた屋久杉が見られます。通常倒れた木は朽ち果ててしまうのですが、屋久杉は倒れてから300年以上が経っても腐らずにそのままの形で残っているのです。
屋久島という過酷な環境で育つ地杉は、樹脂分が多いために雨風や寒暖差に強く、屋外でも使用できるほどの耐候性と防蟻・防ダニ効果があり、何年経っても劣化しにくいことが特長です。